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経営ビジョンとビジネスモデルがなければ、会社は成り立たず、会社を成長させるにはそれらを戦略的に計画しなければなりません。
株式公開をした方がいいのかしない方がいいのかは、会社をどう成長させたいかによって変わってくるようです。ですので、まず経営ビジョンとビジネスモデルを策定します。
具体的には、5~10年程度の長期計画・3年程度の中期計画・単年度ごとの計画を設定し、特に利益面を中心として策定します。
Step.1の経営ビジョンとビジネスモデルの他に、株主構成、経営者の考え方や性格、社長の年齢や後継者の有無などのさまざまな面から、株式公開が自社にとって本当に必要か、プラスになるかを検討します。
その結果、いよいよ株式公開を目指すことが本決定となれば、次は時期を決めなければなりません。
公開準備の作業は、とても広範囲にわたる大きなものです。監査が必要な期間や社内体制の整備、関係会社の整備などもあるので、少なくとも2~3年はかかるプロジェクトになります。
計画的に準備を進めないと、公開のタイミングを逃すことにもなりかねませんので、時期の決定はとても重要です。
ただ作業の時間を計るのではなく、市況、業績、資金の配分や人材の獲得計画も踏まえた上で戦略的に設定する必要があります。
そして、公開準備に必要な作業は、株式公開市場によって異なってきますので、スケジューリングをするには、市場の決定が必要です。
市場によって特徴があるので、企業戦略にあわせた選択がカギとなります。
さて、Step2.で公開時期や目標とする市場が設定されたら、さっそく具体的な準備を行う「公開準備室」を設置しましょう。
準備に伴う業務は、通常会社内で行われている業務とはまったく違うものです。
そのため、準備をするための社内チーム、「公開準備室」を設置して臨むことになります。
ここから先のステップは、この公開準備室と、各分野のプロが協力して行うことになります。
特に社内のスケジュールを調整したり、情報を収集したり、決定した規程を浸透させることはその会社の従業員であり、株式公開に携わってもいる公開準備室のメンバーだからできることです。
しかし、最初から完璧な準備室を用意する必要はありません。「社内を見渡しても適任がいない」という場合がほとんどですから、最初の段階では1,2名の少数、または他業務との兼務などで社内リソースを最小限におさえていただいて結構です。足りない部分はIPO総研がサポートします。最初の段階では、私たちが公開準備室の多くの役割を果たす方が、効率が良い場合もあります。しかし公開に近づくにつれて、社内でなければできないことが増えていきますので、専属の社員を配置してください。
また、公開準備室のスタッフは非常に重要なポジションなので、メンバーの選定にもコツが必要です。そのため、人材採用の面でも、IPO総研がアドバイスをさせていただきます。
株式公開に向けて、発行済株数、株主の構成、資金の調達などに関する計画をたてなければなりません。このような資本に関する計画を資本政策といいますが、資本政策の立案は10のステップの中でも最も重要な課題といっても良いでしょう。
資本政策の立案には難しい面もあり、資金をたくさん集めたいからといって株式を第三者に対して大量に発行してしまえばオーナーは自社の経営支配権を失うことにもなりかねません。支配権を維持しながらいかに資金調達をするか、そのバランスがとても繊細なのです。ここで失敗するケースも少なくありませんので、決定前に必ずご相談いただきたいところです。
また、公開審査の基準をクリアするために必要な増資や株式移動、株式分割などの計画もここで立てられることになります。
不測の事態で計画通りに進まないことも少なくありませんが、それらも視野に入れてしっかりとした計画を立てなくてはなりません。
公開審査では、思っている以上の範囲の関係会社が審査対象となります。
子会社が有る場合、別会社でなければならない明確な理由がない子会社は合併などで統廃合をし、整理しなければなりません。同時に、赤字会社などは売却、清算などをして、本社に経営資源を集中させる作業も行います。
子会社とはいえ、会社がなくなったり売られたりするわけですので少なからずトラブルが発生する可能性もあります。社長を含めた経営幹部が、積極的に先頭に立ち、手際よく進めましょう。
公開申請をするときには、会社の財務諸表に対し監査法人から監査意見を表明してもらわなければなりません。会社の決算が正しいものであると証明してもらうのです。その役割を担ってもらうため、監査法人や公認会計士と監査契約を締結します。
公開のためには、通常、公開前の2期分に対する監査実績が必要ですから、はやめに監査法人の選定をし、監査契約を締結しておく必要があります。しかし最近では、リスク回避のために大手監査法人が新興企業の監査を避ける傾向があります。監査実績がなければ、公開時期を延期することにもなりかねませんので、注意が必要です。
社内体制の整備や資本政策立案の目処がたったら、今度は専門家との連携を作り始めなくてはなりません。
ここで一番重要な専門家が、主幹事証券会社です。
主幹事証券会社は、公開準備のスケジュール管理、株式公開に向けた指導、公開申請や公募売出株式の引き受けなど、その果たすべき役割もたくさんあり、公開準備作業においてはとても頼りになるパートナーとなります。
主幹事証券会社となれるのは総合証券会社。大手以外にもたくさんあります。必ずしも大手証券会社が良いともいえず、それぞれにメリット・デメリットがありますので、慎重に選ぶ必要があります。
社内の管理体制を強化し、規程を整備して、それを実際に実行するステップです。
このときに大切なのは、専門家から指摘された不備の箇所はきちんと対策をとること。
なぜなら、公開前の審査においてマイナスポイントとなりそうなところを専門家は指摘するからです。
規程とは、簡単に言うと会社内でのルールです。
株式公開の準備段階に入るまでそういったものはなかった、という会社も結構あります。
ですが、規程の整備・運用状況が主幹事証券会社にチェックされるので、ここできちんと必要な規程を作成し、業務実行に当たっては、その内容を守るようにしていかなければなりません。
ゼロから規程を作り上げることは非常に手間がかかりますので、まずは市販の規程に関する書籍などを参考に、基本的なものから整備していきましょう。
公開準備会社には、最低1年以上の運用実績が求められます。
内部監査室などの部署を設け、監査役及び監査法人と連携し、客観的に会社が無駄なく正確に動いているか評価をします。内部監査は、立案された計画に基づいて行われ、監査調書を作成し、監査報告書にまとめ、それをもとに社内体制を改善していきます。内部監査については、通常、最低1年間の運用実績が求められます。
株式を公開すると、未公開とは違い、たくさんの投資家から多額の資金提供を受けることになります。そのため、社内管理体制及びその機能に問題がないことを内部監査によって明確にし、外部に安心してもらう必要があるのです。
また、内部監査の実施は株式公開審査で絶対条件とされています。実施状況、内容ともに審査の対象となります。
株式発行後に起こりうる名義書換など、株式に関する事務を行う体制を整える必要があります。
自社内で整備するパターンや、株式事務代行機関に依頼をするパターンがあります。
無事監査期間や社内の管理体制整備を経て株式公開の申請作業となるのですが、会社の信頼性や安全度を証明するために、膨大な量の書類を提出する必要があります。さらに、この申請書類は印刷会社により印刷・製本されたものを提出しなければなりません。
これらの10のステップを経て、いよいよ株式公開となります。